事業責任者メッセージ

プラントエンジニアリング事業本部

設計・調達・工事のさらなる最適化を追求していきます。

取締役執行役員常務/プラントエンジニアリング事業本部長 奥田 昇

当社は、機械技術と電気技術を融合するユニークな企業です。独自の機械技術と機械の能力を最大限に生かす電気技術により、省エネ・創エネ技術などの環境配慮型プラントの設計・建設を実現するとともに、これら機電融合技術と商品開発力により、脱炭素社会の実現やSDGsへの貢献に取り組んでいます。
現在、上下水道業界では技術者不足や施設老朽化が深刻な課題となっています。今後は公民連携(PPP)事業の拡大、IoTやAIの進化・拡大、働き方改革の進展など、事業環境の変化がより顕著になると考えられます。
このような変化に伴う社会や顧客ニーズに対応するためには、エンジニアリングの変革と業務の合理化・効率化に向けた取り組みが不可欠です。当事業本部では、最適な設計・調達・工事を追求することで新しい価値を生み出し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

「中期経営計画2020」の振り返り

「中期経営計画2020」では、ナンバーワン製品(水滴型製品)の開発として、環境性能の高い製品やライフサイクルコストが極めて低い製品など、優れた特長を有する製品の開発を進めてきました。上水分野では、オゾン・凝集前処理による膜システムで処理能力が国内ナンバーワンの高度浄水セラミック膜システムや、副生成物(臭素酸)を抑制することを可能とするオゾン注入制御ナンバーワンのオゾン・促進酸化処理(AOP)システムを開発しました。また下水分野では、脱炭素社会への流れを受け、下水処理過程で生成される汚泥焼却廃熱や消化ガスを回収・利用する各種発電技術の積極的な開発や、汚水処理において高速ろ過システムやファイナルフィルターを導入することで、人口減少や超高齢化社会に対応したダウンサイジング技術による持続可能なプラント建設を実施しました。

技術打ち合わせの様子

SDGsの取り組み

対応するSDGs

老朽化した浄水場・下水処理場に、高度な水質改善技術や省エネ技術、クリーンエネルギー発電技術などの最新技術を取り入れることにより、プラント建設を通じて安全・安心・安定した水質と水量を提供

人口減少や超高齢化社会に対応したダウンサイジング技術による持続可能なプラント建設の実施

大雨などの異常気象による下水流入量増加に対する技術開発とソリューションの実施

東北沿岸を中心とした災害復旧工事に携り、水環境の改善を通じて住み続けられるまちづくりへの貢献

「中期経営計画2023」に向けての取り組み

当事業本部は当社の基盤分野を担う組織として、「中期経営計画2020」に引き続き、国内のEPC事業の強化・効率化を推進していきます。

[今後の取り組み]
  • EPC事業における一連のバリューチェーンで必要となるさまざまな情報やデータを、IT・AIの活用によって一元化し、エンジニアリングの効率化を目指します。

  • 最先端のエンジニアリング手法の導入・活用を積極的に進めることにより、業務のさらなる合理化・高度化・品質向上を推進していきます。

サービスソリューション事業本部

水・環境インフラの持続に貢献するための新たなサービスの創出と提供を続けます。

執行役員/サービスソリューション事業本部長 中野 博之

サービスソリューション事業本部では、国内上下水道施設の機械・電気設備の保守点検・修繕、運転・維持管理ならびに、ごみ処理施設(粗大・不燃ごみ、資源ごみ)の設計・建設、運営・維持管理を行っています。国内の上下水道事業においては、施設や設備の老朽化が進む一方、自治体は財政難に加え、施設の運営・維持管理を行う技術者や職員の不足などの課題を抱えており、民間企業が持つノウハウや技術の活用に大きな期待が寄せられています。当事業本部には、全国34カ所の拠点からなるサービス網があります。いつでもお客さまのそばにいる存在として、故障やトラブルなど緊急時対応や施設・設備の維持管理に関わる相談対応などの支援を行っていきます。

「中期経営計画2020」の振り返り

「中期経営計画2020」において、サービスソリューション事業本部は売り上げを順調に推移することができました。機械・電機ともに計画通りの業績を達成。特に資源環境事業部は、EPCが好調で、2020年度は過去最高の業績となりました。
また、近年急増する運転管理機場において、本社による包括運転管理体制の整備のほか、全国の案件に対応できる安定的な専門人材の供給体制の構築を進めています。今後も当社の安定基盤事業として、こうした取り組みを継続していきます。
当社グループは、全社員の「安心して働きやすい環境」の実現に向けて働き方改革を推進してきましたが、ことに現場で働く社員の働き方に目を向けると、まだまだ課題があると認識しています。
今後は、さらにICTツールを活用して、恒常的に部門内の意思疎通ができる仕組みづくり、あるいは安全確保や技術面の遠隔サポートの導入など、品質向上に向けた現場の働き方改革にも引き続き、取り組んでいきます。

現場点検作業の様子

SDGsの取り組み

対応するSDGs

上水処理設備機器の機能維持による安心・安全な水づくりと供給への貢献

下水処理設備機器の機能維持による安定稼働への貢献(放流水質維持)

自動化や無人化など、新技術・新サービスの提供による維持管理業務の革新・省エネ化

WBC、SaaS型(ネットワーク経由によりソフトウェアおよびソフトウェア稼働環境を提供する)サービスの展開

ごみの減量化や資源化の大切さを地域住民向けに教育・啓発する機能を有するごみ処理施設の設計と運営

地域企業とのパートナーシップによるサービスソリューション事業の強化

「中期経営計画2023」に向けての取り組み

「中期経営計画2023」では、既設機場の継続的な受注による安定成長に加え、ICTツールの活用やWBCの拡販強化などにより、新規事業のさらなる拡大を図ります。
また、老朽化したごみ処理施設を閉鎖せずに延命化する基幹的設備改良事業の提案などを通じて、自治体や地域企業とのパートナーシップの強化を引き続き、積極的に推進していきます。
2020年度から続く新型コロナウイルス感染症の影響下においても上下水道施設やごみ処理施設などのインフラを持続することは重要であり、施設の安定的な運転維持のための保守点検や修繕は続けなければなりません。同感染症の感染拡大防止対策の観点から、さまざまな規制・制約が求められる中でも、拠点を中心とした地域密着型サービスやWBCなどの当社グループの強みを生かしながら、社会インフラの維持において重要な役割を担っていけるよう努めていきます。

PPP本部

上下水道事業の持続という課題に向き合い、解決に貢献していきます。

執行役員常務/PPP本部長 酒井 雅史

局所的降雨などの自然災害の増加、それに伴う被害への備えと対応がますます重要になっています。また、人口減少に起因する公的資金の逼迫によって自助・共助・公助の役割が見直されるなど、水をとりまく環境は近年、目まぐるしく変化しています。
国内上下水道事業のこれまでの発展には多くの民間企業が関与してきましたが、昨今直面している困難な状況に立ち向かうことを民間企業も求められる時代になりました。こうした状況を打開するために、国はさまざまな法整備を通じて公民連携(PPP)促進を鮮明に打ち出しています。
PPPは水分野に限らず我が国に広く浸透しており、他業種との共同化などコラボレーション機運も高まりつつあります。

「中期経営計画2020」の振り返り

「中期経営計画2020」においては、PPP本部はおおむね計画通りの成果を得ることができました。
事業範囲の拡大という観点では、九州エリアにおいて昨年、工業用水道事業として国内初のコンセッション事業となる「熊本県有明・八代工業用水道運営事業」を新たに受託。また、同じ熊本県域では「荒尾市水道事業包括委託(第2ステージ)」を継続して受託することもできました。すでにDBO方式で受託している「ありあけ浄水場」(福岡県大牟田市・熊本県荒尾市の共同浄水場)の整備・運営事業と合わせて、広域にわたる取水から蛇口までの管理・運営を任されることになり、スケールメリットの創出を目指します。
また、既存案件としては、岐阜県の中津川市および下呂市の水道事業包括委託業務や、7件のDBO事業に参画しています。これまで自治体や事業体が担ってきた経営・計画業務などの事業運営の支援や上下水道の管路管理業務などにも関わるなど、当社が管理する業務範囲はますます広がっており、トータルソリューションを提供する企業へとステップアップしています。
こうした業務範囲の広がりに合わせてアセットマネジメントの深化や災害時における事業継続手法構築への取り組みも加速させています。これらの取り組みを、事業拡大につなげていきます。

九州地区で実施された災害対応訓練の様子
オンラインとリアル参加の併用で実施された

SDGsの取り組み

対応するSDGs

機械設備、電気設備を含む浄水場の設計・建設から運営・維持管理業務

技術継承や上下水道事業の財政悪化など自治体の抱える課題に合わせた適切なソリューションに加え、数多くの PPP事業に携わる当社ならではの付加価値の提案

2016年4月の熊本地震における給水活動など、自然災害発生などの有事におけるBCP(Business Continuity Plan...事業継続計画)

「中期経営計画2023」に向けての取り組み

受託案件全体を俯瞰しながら遠隔で監視・支援することによって、案件ごとに共通する課題を抽出し、運営の省力化・合理化、管理の効率化を実現していきます。また、ストックマネジメント手法の確立によるライフサイクルコストの最適化と運転管理におけるイノベーションを推進し、お客さまの事業持続性確保というメリットを創出しつつ、当社の事業収益改善も両立していきます。
また、これまで蓄積された運営ノウハウを他案件の事業提案業務(計画業務)へフィードバックし、競争力の強化と適正粗利の確保、受託後の安定運営につなげます。
従来の当社の業務範囲を超えた管路関連業務や広域化・共同化などへの対応、他事業との統合管理による合理化や地元企業との連携など、多様化する顧客ニーズにも自社開発やアライアンスにより積極的に取り組んでいきます。

海外本部

事業の現地化を加速し、世界の水環境問題の解決に貢献します。

執行役員/海外本部長 秋川 健

海外本部では、環境規制の強化が進む北米・欧州を軸に、上下水道普及率の向上により市場拡大が期待できるアジアなどを含む世界各国に向けて、当社グループ独自の差別化製品・技術、特にろ過技術を中心に事業展開を図っていきます。また、各地域での現地化を加速していきます。
世界の水ビジネスを取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、お客さまの需要もますます多種多様化する中で、地産地消の水資源に対する取り組みは以前にも増して重要となっています。当社グループでは引き続き、パートナー企業との連携を強化し、現地の需要や環境変化に合わせて最適化した製品や技術をお届けし、各地域で頼られる存在になることを目指します。

「中期経営計画2020」の振り返り

  • 北米では、当社グループのAqua-Aerobic Systems,Inc.(AAS社)が展開する差別化技術として、クロスメディアフィルター、好気性グラニュール式下水処理技術(AquaNeredaⓇ)などが高いプレゼンスを獲得しており、安定した収益を確保しました。また、AAS社を核に、当社独自の水処理技術であるオゾン発生システム、セラミック膜ろ過システムも順次展開しています。
    さらに、2 0 2 0 年4 月に当社グループに加わったW i g e n Companies,Inc.を通じて、逆浸透膜法などの膜ろ過技術やイオン交換技術を使った、より高度な水処理プロセスにも対応が可能になりました。米国南西部を中心とする飲用再生水市場での足場固めを継続するとともに、上下水分野での新しい需要や民需分野などの有望市場において活躍の場を広げていきます。

  • 欧州では、2020年11月に、オランダのRood WitBlauw Holding B.V.(RWB社)の全株式を取得し、事業基盤を強化しました。グループ会社であるスイスのMecana Umwelttechnik GmbH、ドイツのFUCHSEnprotec GmbH、および戦略的提携関係のオランダPWNT B.V.とともに、それぞれが持つリソースを最大限に生かし、欧州地域での事業拡大を推進します。

  • アジアでは、ベトナムのホイアン市に、新興国向けの新たな下水処理システム「前ろ過散水ろ床法」(PTF法)の第1号機を納入しました。今後も現地ニーズに適した当社独自技術を中心に展開します。また、ハノイ、プノンペン、シンガポールの各駐在員事務所を活用し、現地目線で市場分析の精度を高めることで、成長市場であるアジアにおける事業拡大を着実に実現していきます。

  • この他、安全な水へのアクセス改善と洪水や渇水などの自然災害発生時の緊急対策を目的とした車載式セラミック膜ろ過装置をアフリカや東南アジア各国に累計25台を販売してきました。2020年度にはヘリコプターに搭載可能な型式も完成しており、今後もお客さまのニーズに即したカスタマイズ対応により水環境問題の解決に取り組んでいきます。

SDGsの取り組み

対応するSDGs

北米での下水処理装置、飲用再生水処理、浄水装置の販売

海外企業と連携したセラミック膜ろ過技術の展開

アジアでの先進的省エネ型下水処理システムの展開

車載式セラミック膜ろ過装置の展開

各地域における現地法人・駐在員事務所・プロジェクトを通した雇用創出と教育

「中期経営計画2023」に向けての取り組み

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の脅威が収まらない中、海外事業を強化、拡大していくために、現地化の加速は以前に増して重要です。さまざまな地域でパートナー企業を発掘するとともに、世界中のお客さまとの対話を重ね、各地域が抱える新たな水環境問題に対して真摯に向き合うことで、当社グループの総力を生かして、新しい価値を生み出し続けます。今後も変わり続ける世界の水環境の変化をいち早く察知し、解決手段を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。