地域社会への貢献
地域社会への貢献
地域の暮らしや産業に欠かすことのできない「水」を扱う当社グループにとって、水・環境インフラを支えることは社会的使命であると捉えています。お客さまやパートナー企業、市民団体をはじめとする地域の皆さまと連携し、それぞれが抱える課題に適した製品・サービスを提供することにより、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。
地域社会・経済の活性化につなげる取り組み
地域の暮らしや産業にとって、「水」を安定供給する水・環境インフラは不可欠な存在です。しかし、それを維持運営している地方自治体は、頻発する自然災害、人口減少による財政逼迫、人材不足などの困難な課題に直面しています。当社グループは、こうした課題を解決することが地域の社会や経済を支え、さらには活性化へとつながると考えています。この考えをもとに、当社グループは、事業継続マネジメント(BCM:Business ContinuityManagement)に基づく危機対応、ICTや広域連携などの活用による効率的な事業運営、地元の人材の積極的な採用・育成および技術継承、さらには地元企業からの調達推進などに取り組み、地域社会・経済の活性化に貢献していきます。
地域に根差した緊急時対応
当社グループは「水を止めない」という使命のもと、全国34カ所の拠点からなるサービス網を構築し、災害をはじめ故障やトラブルなどの緊急時対応や、施設・設備の維持管理に関わる相談対応など、それぞれの地域に根差した事業を行っています。また業務の範囲が広がっている運営受託事業においては、特にアセットマネジメントの深化や事業継続マネジメント(BCM)の構築などの取り組みを強化しています。
Kyoso社と業務委託契約を締結し、地域創生と障がいのある方の雇用確保に貢献
地方都市では、高齢化や人口減少などにより労働力不足が深刻な問題となりつつあります。そこで、2023年3月、地域における新たな労働力の確保を目的に、 障がい者の就労支援事業を手がける株式会社Kyoso (宮崎県都城市、以下「Kyoso社」)と業務委託契約を締結しました。
本契約において、当社はKyoso社に水・環境インフラを支えるIT業務の一部を委託し、地域創生と障がいのある方の雇用確保に貢献します。委託にあたっては、各業務を作業レベルに分解し、障がいのある方が従事しやすいよう工夫し、一般就労への道筋づくりにつなげています。この取り組みが順調に進み、2024年4月からは宮崎県在住の方、1名をフルリモートワークで採用しました。今後も障がいのある方に、やりがいを感じていただけるように業務の継続的な創出に努めます。
令和6年能登半島地震で被災した志賀町にて生活用水の応急支援を実施
2024年1月1日に発生した能登半島地震で被災し、水道設備の復旧が遅れていた石川県志賀町において、愛媛県今治市と協働で生活用水の応急支援活動を実施しました。
志賀町から支援要請を受けた今治市は、災害対策の一環として市内の浄水場に配備していた車載式セラミック膜ろ過装置 (当社が2022年に納入)の出動を決定。当社は同装置の技術支援として活動に加わりました。当社は同装置の立ち上げや安定稼働、農業用ため池から原水を引き込む作業、同装置の撤収などを技術面でサポートしました。
供給した生活用水は、同町の避難施設に設置された仮設入浴設備などに使用されました。
Kyoso社との契約調印式の様子
今治市の職員と車載式セラミック膜ろ過装置を立ち上げる当社技術スタッフ(手前)
仮設入浴設備の隣に設置されたと車載式セラミック膜ろ過装置(写真右奥)
ウォーターPPP
2023年6月に、水道・下水道・工業用水道のコンセッションへの段階的な移行を目的に、管理・更新を一体的、長期的に実施する事業を「ウォーターPPP」と位置付け、政府がさらに後押ししていく方針が発表されました。
当社グループは、国内の水・環境分野の公民連携事業59件に参画、そのうち特別目的会社(SPC)への出資は41社におよびます。
*15年超の長期契約、または特別目的会社(SPC)などへの出資を伴う主要な事業として(SPC清算済み、今後設立予定を含む)
ウォーターPPPに該当する受注実績の例
管理・更新一体マネジメント方式 [レベル3.5類似]
大船渡浄化センター施設改良付包括運営事業
荒尾市水道事業包括委託(第2ステージ)
公共施設等運営事業(コンセッション)[レベル4]
熊本県有明・八代工業用水道運営事業
宮城県上工下水一体官民連携運営事業
ウォーターPPP推進に寄与する当社の取り組み
オペレーションサポートセンター(OSC)の導入促進
全国的にPPP事業が積極的に導入されることから、当社の受託 件数が年々増加することが想定されるため、さらなる安全・安心 なプラント運転と業務効率化のための取り組みとして、2023年より名古屋事業所にオペレーションサポートセンターを開設し、 導入を促進しています。
Water Business Cloud(WBC)により受託プラントの運転状況を一元的に監視し、現場運転員を24時間体制でサポートします。具体的には運転の最適化や緊急時対応支援などを行っています。今後は全国各地の当社グループ受託機場への導入を進めるとともに受託機場が多いエリアへの分室の増設などを進めていきます。
下水道プラント(熱操作系)のオペレーション業務改善への挑戦
運転・維持管理業務を受託するプラントにおいて、非常時や予期せぬ設備不具合への対応のため、24時間常にプラントを見守る必要があり、多くの現場では夜間も含めたシフト勤務で業務を行っています。夜勤は現場スタッフにとって心理的、体力的にも非常に負荷がかかり、施設運営の効率化促進や勤務環境改善を進める上で、大きな課題になっていました。
当社グループは、設備不具合の解消、制御の高度化現場での運転操作・作業の徹底的な見直し、遠隔での集中監視体制強化(OSC開設やWBC活用拡大)、自治体・事業体の理解促進の観点でこの課題に取り組み、2件のDBO受託現場での夜間無人運転を開始、現在も安定稼働を継続しています。
地域の水インフラを支える取り組み
水インフラの維持管理にWeb3(DAO)を活用する新プロジェクトをフレームダブルオー社と始動
施設の老朽化や人口減少に伴う財政難、担い手不足などインフラクライシスが加速度的に深刻化している現実に対応するため、業界に先駆けて上下水道インフラの維持管理を住民参加型で行うコミュニティづくりをサポートするSaas型のサービスを展開するプロジェクトを始動しました。
本プロジェクトでは、Web3*1 (DAO: 分散型自立組織*2)の活用を最重要技術テーマと捉え、プロックチェーン技術でイノベーションを推進するフレームダブルオー株式会社と協同でサービス開発に着手。2024年度中の完成を目指しています。
災害時などにおける重要な防災拠点としての役割も担う
高橋浄水場(愛称:バリウォーター/所在地:愛媛県今治市)
当社を代表とする企業グループが受託した「(仮称)高橋浄水場整備等事業」により、老朽化が進んでいた今治市の基幹浄水場(小泉浄水場)の機能を移転し、新たな浄水場として誕生した高橋浄水場(愛称:バリウォーター)。同浄水場は、安全でおいしい水の安定的な供給はもちろん、継続的な水道事業経営を支えるためのLCC(ライフサイクルコスト)の削減や事業の効率化、さらには災害対応などの観点から建設・整備されました。新浄水場は、当社独自のセラミック膜ろ過システムを導入しており、クリプトスポリジウムなどの病原性原虫の確実な除去が可能です。また、災害時などには同市の重要な防災拠点としての役割も果たせるよう、高い耐震性を確保し、自家発電設備や応急給水設備なども整備しています。さらに、発電機を備え、高濁度原水でも安定した水量・水質の浄水を提供できる、当社製の車載式セラミック膜ろ過システムも配備されています。
「(仮称)高橋浄水場整備等事業」の概要
- 事業方式 :
- DBM方式
- 事業期間 :
-
- [設計および工事期間]
- 2017年9月20日~2022年3月19日
- [維持管理期間]
- 供用開始から20年間
きれいな水が豊富な町で、水道事業をゼロから立ち上げ
熊本県嘉島町簡易水道事業包括委託
熊本県の中部に位置する人口約1万人の町、嘉島町。日本で唯一、「水道普及率ゼロ」といわれてきた同町において2021年10月、宅地造成のために簡易水道を新設する事業がスタートしました。当社グループは、同町より事業の包括委託を受け、その運転・維持管理業務を担っています。
嘉島町は、地下水が豊富な町で、地下水を使用した"天然水のプール"が名物になるほどです。そのため、各家庭の生活用水も井戸水で賄うことができていたため、水道の設置を必要としていませんでした。
そのような状況の中、嘉島町では 2014年、大型ニュータウン「ゆうすいの杜」の造成に伴い、近年では珍しい"ゼロからの水道立ち上げ"が計画されました。水道が未整備ゆえに、その実務経験者がいなかった同町は計画の推進にあたり、水道運営や維持管理のノウハウと実績を持つ当社グループを水道水供給のパートナーとして選定。当社グループは、2021年10月に新設の簡易水道設備の運用・給水が開始された当初より、水道施設および給水区域全域の運転・維持管理業務を実施しています。
当社グループは今後も、嘉島町の持続可能な水道事業運営の維持・向上に貢献していきます。



岩手県大船渡市にてアクアポニックス事業に参画
当社は岩手県大船渡市にて、魚と野菜を同時に育てる循環型農業「アクアポニックス」事業に参画しています。本事業では大船渡浄化センター敷地内に建てられた「アクアポニックスパークおおふなと」(2022年完成)において、現地採用となるスタッフ10人ほどを雇用し、野菜やチョウザメの飼養を行なっています。本格生産のスタートから2年が経過し、東北エリアのスーパーや道の駅など約30カ所へレタスなどを出荷しています。本事業は、新たな地域産業の創出や地域経済の活性化につながる取り組みとして、継続的に注目を集めており、これまでテレビやラジオ、新聞などで40件以上、紹介されています。(2024年7月時点)
アクアポニックスとは?
「アクアポニックス」は、養殖する魚の排泄物を肥料にして植物を育てる新しい農業の手法です。"水で行う有機栽培"ともいわれ、農薬や化学肥料を使わず、環境負荷を最小限に留めて養殖と農業を行うことができます。SDGsの理念にも通じる次世代の環境保全型農業モデルです。
本事業実施の背景
近年、下水処理場では人口減少に伴う統廃合や技術革新による処理の効率化などにより、未利用となっている土地が多く存在しています。国土交通省が推進する「下水道リノベーション計画」においても、下水処理場を「下水熱や再生水等を活用し農業生産拠点化」することが推奨施策の一つとして掲げられています。大船渡市は、アクアポニックス事業を下水処理場の未利用地の有効利用に資する取り組みと捉え、事業会社と事業用定期借地権設定契約を締結し、本事業の用地を提供することとしました。
事業会社の概要
- 会社名
- 株式会社テツゲンメタウォーターアクアアグリ
- 株主構成
- 株式会社テツゲン、メタウォーター株式会社、株式会社プラントフォーム
- 所在地
- 岩手県大船渡市大船渡町字欠ノ下向1-2
- 設立年月日
- 2021年10月1日



