地域社会への貢献
地域社会への貢献
地域の暮らしや産業に欠かすことのできない「水」を扱う当社グループにとって、水・環境インフラを支えることは社会的使命であると捉えています。お客さまやパートナー企業、市民団体をはじめとする地域の皆さまと連携し、それぞれが抱える課題に適した製品・サービスを提供することにより、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。
地域社会・経済の活性化につなげる取り組み
地域の暮らしや産業にとって、「水」を安定供給する水・環境インフラは不可欠な存在です。しかし、それを維持運営している地方自治体は、頻発する自然災害、人口減少による財政逼迫、人材不足などの困難な課題に直面しています。当社グループは、こうした課題を解決することが地域の社会や経済を支え、さらには活性化へとつながると考えています。この考えをもとに、当社グループは、事業継続マネジメント(BCM:Business ContinuityManagement)に基づく危機対応、ICTや広域連携などの活用による効率的な事業運営、地元の人材の積極的な採用・育成および技術継承、さらには地元企業からの調達推進などに取り組み、地域社会・経済の活性化に貢献していきます。
地域に根差した緊急時対応
当社グループは「水を止めない」という使命のもと、全国34カ所の拠点からなるサービス網を構築し、災害をはじめ故障やトラブルなどの緊急時対応や、施設・設備の維持管理に関わる相談対応など、それぞれの地域に根差した事業を行っています。また業務の範囲が広がっている運営受託事業においては、特にアセットマネジメントの深化や事業継続マネジメント(BCM)の構築などの取り組みを強化しています。
災害時などにおける重要な防災拠点としての役割も担う
高橋浄水場(愛称:バリウォーター/所在地:愛媛県今治市)
当社を代表とする企業グループが受託した「(仮称)高橋浄水場整備等事業」により、老朽化が進んでいた今治市の基幹浄水場(小泉浄水場)の機能を移転し、新たな浄水場として誕生した高橋浄水場(愛称:バリウォーター)。同浄水場は、安全でおいしい水の安定的な供給はもちろん、継続的な水道事業経営を支えるためのLCC(ライフサイクルコスト)の削減や事業の効率化、さらには災害対応などの観点から建設・整備されました。新浄水場は、当社独自のセラミック膜ろ過システムを導入しており、クリプトスポリジウムなどの病原性原虫の確実な除去が可能です。また、災害時などには同市の重要な防災拠点としての役割も果たせるよう、高い耐震性を確保し、自家発電設備や応急給水設備なども整備しています。さらに、発電機を備え、高濁度原水でも安定した水量・水質の浄水を提供できる、当社製の車載式セラミック膜ろ過システムも配備されています。
「(仮称)高橋浄水場整備等事業」の概要
- 事業方式 :
- DBM方式
- 事業期間 :
-
- [設計および工事期間]
- 2017年9月20日~2022年3月19日
- [維持管理期間]
- 供用開始から20年間
きれいな水が豊富な町で、水道事業をゼロから立ち上げ
熊本県嘉島町簡易水道事業包括委託
熊本県の中部に位置する人口約1万人の町、嘉島町。日本で唯一、「水道普及率ゼロ」といわれてきた同町において2021年10月、宅地造成のために簡易水道を新設する事業がスタートしました。当社グループは、同町より事業の包括委託を受け、その運転・維持管理業務を担っています。
嘉島町は、地下水が豊富な町で、地下水を使用した"天然水のプール"が名物になるほどです。そのため、各家庭の生活用水も井戸水で賄うことができていたため、水道の設置を必要としていませんでした。
そのような状況の中、嘉島町では 2014年、大型ニュータウン「ゆうすいの杜」の造成に伴い、近年では珍しい"ゼロからの水道立ち上げ"が計画されました。水道が未整備ゆえに、その実務経験者がいなかった同町は計画の推進にあたり、水道運営や維持管理のノウハウと実績を持つ当社グループを水道水供給のパートナーとして選定。当社グループは、2021年10月に新設の簡易水道設備の運用・給水が開始された当初より、水道施設および給水区域全域の運転・維持管理業務を実施しています。
当社グループは今後も、嘉島町の持続可能な水道事業運営の維持・向上に貢献していきます。
「アクアポニックスパークおおふなと」が稼働開始
岩手県大船渡市の「大船渡浄化センター」の隣接地に、魚と植物を同時に育てる循環型農業「アクアポニックス」プラントが2022年7月に完成しました。本事業は、当社が参画する株式会社テツゲンメタウォーターアクアアグリが展開しているもので、2022年10月からレタスなどの野菜の生産とチョウザメの飼育をスタートさせました。
このプラントでは、現地採用となるスタッフ10人ほどを雇用し、2022年11月から野菜の収穫・出荷作業を本格化、新たな地域産業の創出や経済活性化に向けて、注目を集めています。
株式会社テツゲンメタウォーターアクアアグリは、下水道事業における新たな付加価値創出を目的に、岩手県大船渡市が推進する「大船渡浄化センター施設改良付包括運営事業」において、当社と共に同事業に参画している株式会社テツゲン(社長:佐藤 博恒、本社:東京都千代田区)と、当社が出資し、魚と植物を同時に育てる循環型農業「アクアポニックス」を展開する株式会社プラントフォーム(代表取締役CEO:山本 祐二、本社:新潟県長岡市)の3社で設立された合弁会社です。
「アクアポニックス」は、養殖する魚の排泄物を肥料にして植物を育てる新しい農業の手法です。"水で行う有機栽培"ともいわれ、農薬や化学肥料を使わないだけでなく、水も捨てないため、環境負荷を最小限に留めて養殖と農業を行うもので、SDGsの理念にも通じる次世代の環境保全型農業モデルです。
当社は本事業を通じて、上下水道施設の未利用地の有効利用を含め、公民連携事業などにおける新たな付加価値の提案につなげ、地域創生に貢献していきます。
地域社会への貢献-社会貢献活動(水を通じて)
当社グループは水・環境のインフラ企業として、水や環境の大切さを多くの方に知っていただけるよう、さまざまな社会貢献活動を推進しています。具体的には、全国各地で行われている水源林の保全活動への参加や、全国の事業拠点の周辺地域で開催されるイベントへの出展、子どもたちに水の循環について学んでもらう「出前授業」の実施などに取り組んでいます。
社会貢献活動理念
メタウォーター グループの社会貢献活動は水・環境を通じて社会的課題の解決をはかり、持続可能な社会の実現に貢献します。
社会貢献活動指針
- 水辺の環境改善活動や水・環境に対する啓発活動の充実化をはかります。
- 各種ステークホルダーとの連携や協働を大切にしていきます。
- 社員の自発的な参加意識の醸成を行います。
活動重点分野ごとの詳細
社会貢献活動 事例
【教育・社会教育】水・環境学習のポータルサイト「メタウォーターランド」をリニューアル
2022年度は、水・環境の視点からサステナブルな社会について、楽しみながら考えていただくことを目的に、当社ホームページ内のポータルサイト「メタウォーターランド」をリニューアルしました。新サイトは、水・資源の循環とそれを支えるインフラの仕組みなどについて小学生から大人まで楽しく学んでもらえるよう、イラスト解説やマンガ、ムービーのほか、クイズやゲームなどのコンテンツを用意しています。また、砂ろ過実験などのリアルな体験を通じて学べる「出前授業」の申し込みもできます。
- メタウォーターランド https://www.mwland.jp/
- 水・環境インフラについて"見て""遊んで"楽しく学 べる新サイト
【教育・社会教育】オリジナル動画教材「めーちゃん・たーくん きょうしつ」に新作を追加
事業を通じて培ってきた「水」と「環境」に関する技術や知識などを生かして、次世代を担う子どもたちに水の循環について、分かりやすく学んでもらう取り組みを継続的に行っています。2021年度にオリジナル動画教材の新作を2本制作し、現在ラインアップは6本となりました。また小学生を対象に開催している好評の出前授業は、本社の特設スタジオからオンライン形式で実施したり、現地訪問による座学にて小学校教育でも取り入れられているSDGsをテーマに取り上げたり、新しい試みも始めました。
【地域貢献】「メタウォーター打ち水大作戦 2022」を開催
毎年8月1日の「水の日」に合わせて、「メタウォーター打ち水大作戦」を開催しています。14回目の開催となった2022年度は、初めての試みとして、当社本社、事業所、および当社グループで事業を受託している浄水場など、北は福島県から南は熊本県まで、全国の計9カ所をオンラインでつなぎ、一斉に打ち水を実施。当社本社会場の地表付近では温度が10度下がるなど、各会場がひんやりした空気に包まれました。なお、打ち水には当社および当社グループ社員の合計60名が参加し、盛大な催しとなりました。
【地域貢献】事業拠点の周辺地域のイベントに出展
地域との信頼関係を深める取り組みの1つとして、公民連携事業(PFI/DBO)などを実施している事業拠点の周辺地域で開催される地域イベントに出展しています。
2022年度は、新潟県見附市の「刈谷田川フェスティバル2022」(4月)にて砂ろ過やセラミック膜ろ過装置で水がきれいになるデモンストレーションを行い、岩手県大船渡市の「大船渡市産業まつり」(10月)ではパネル展示や顕微鏡による微生物観察で下水道の仕組みを説明。上下水道や水の循環の大切さについて、市民の皆さまに知っていただきました。
【地域貢献】全社献血活動実施
当社グループでは、日本赤十字社から団体コードを取得し、全社員に最寄りの献血ルームや献血バスなどでできるだけ献血をするよう呼び掛け、活動の拡大を図っています。
【環境保全】「青下の杜プロジェクト」に参画
宮城県仙台市と民間企業との公民連携による水源保全事業「青下の杜プロジェクト」に参画しています。2022年度は、5月と10月に青下水源地の「青下の杜」にて行われた植樹や間伐、清掃活動に参加しました。