重要課題(マテリアリティ)への取り組み
私たちは、持続可能な環境・社会の実現と企業価値の向上を目指します
水で救える大切な命がある。水で変わる新しい暮らしがある。水で解決できる社会的な課題がある。地球にとってかけがえのない資源である「限りある水」。当社グループは「いつでも どこでも だれもが水と共に安心して生きることができる社会を願い たゆまぬ挑戦を続けていく」ことを思いながら、持続可能な環境・社会の実現と企業価値の向上を目指します。
これこそが当社グループの果たすべき責任と存在意義と考え、サステナビリティ推進活動に取り組んでいきます。
サステナビリティ推進活動
重要課題(マテリアリティ)への取り組み
当社グループは、企業理念である「続ける。続くために。」の実践を通じて、持続可能な環境・社会の実現に向けて取り組み、企業価値の向上を遂げることを目的とする「サステナビリティに関する基本方針」を制定。同方針にて定めた6つの重要課題(マテリアリティ)の解決を目指して、サステナビリティ推進活動に取り組みます。
当社グループのサステナビリティ推進活動-重要課題(マテリアリティ)への取り組み
ESG別一覧
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SDGs への貢献
当社グループは、事業特性や水・環境インフラを支える社会的使命などを考慮し、SDGsの目標6への貢献を重要視し、戦略的に目標17を推進することで、目標11に貢献できると考えています。
SDGsの目標6は、人間が尊厳を持って安心して生きていく上でも、社会活動を維持する上でも欠かすことのできない重要な課題です。当社グループは、目標6を達成することが他のさまざまな課題解決につながると考えています。
マテリアリティトピックス
① 多様化するニーズに応えるメタウォーター
設計・建設から運営・維持管理までを包括的に受託するPFI方式やDBO方式のプロジェクトに加え、近年では事業計画策定支援や資産管理、料金徴収などを含むプロジェクトにも参画しています。
② 総合力を生かし、信頼される企業を目指す
国内の上下水道事業においては、人口減少を背景に事業運営を担う事業体の財政難や技術者不足、高度経済成長期に整備された施設・設備の老朽化、大地震やゲリラ豪雨などへの対策が急がれています。
その解決策の1つとして期待されているのが、公共インフラの整備に民間の資金や技術、ノウハウを活用する公民連携事業です。公民連携事業は、1999年にPFI法が施行されて以来、増えてきています。さらに、2018年の水道法改正により、コンセッションをはじめとする事業運営の民間委託に注目が集まっています。
こうして民間企業への期待が高まる中、当社グループは事業領域の拡大を推進するとともに、着実にノウハウを積み上げてきました。この豊富なノウハウや経験、機電融合の総合力を生かして、信頼される企業となれるよう、各機場、各地域が抱える課題に誠実に向き合い続けます。そして、持続可能な地域社会の構築に貢献していきます。
国内の水・環境分野で公民連携事業49件に参画中、特別目的会社などへの出資は41社に及びます*
* 15年超の長期契約、または特別目的会社(SPC)などへの出資を伴う主要な事業として(SPC清算済み、今後設立予定を含む)
Topics
オペレーションサポートセンター(OSC)を開設し、より安全で安定的なプラント運営をサポート
公民連携事業 受託件数が年々増加する中、さらなる安心・安全なプラント運転、業務効率化のための取り組みとして、2022年10月にオペレーションサポートセンター(OSC)を開設しました。
Water Business Cloud(WBC)により受託プラントの稼働状況、運転状況を一元的に監視し、現場運転員を24時間体制でサポート。プラント運転の最適化や省人化、緊急時の監視継続、現場支援などに貢献します。
名古屋事業所に開設されたオペレーションサポートセンター
③ 宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)が始動
2022年4月より、当社を代表企業とする特別目的会社「株式会社みずむすびマネジメントみやぎ」により、宮城県上工下水一体官民連携運営事業が始動しました。
本事業は、宮城県がこれまで運営してきた水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業の一部の運営権を取得し、各事業を一体的かつ長期的(20年間)に運営していく、国内初※1の取り組みです。
社名に冠した「みずむすび」とは、「3つの水事業と地域、そして未来を結び付け、持続可能な事業を実現していく」という、利用者の皆さまとの約束を象徴した言葉です。経営方針には「地域」「革新」「信頼」の3つを掲げ、宮城県と共に革新的な創意工夫を日々実行しながら、利用者の皆さまからの信頼を一つ一つ積み上げていきます。
- 厚生労働大臣の許可を受けた水道施設運営等事業。
水道事業、工業用水道事業、下水道事業を1つの契約で実施するコンセッション(公共施設等運営権方式)として国内初。
みずむすびマネジメントみやぎの役割
みずむすびマネジメントみやぎは、水道(2事業)、工業用水道(3事業)、下水道(4事業)の対象施設である浄水場や浄化センターの管理運営(運転管理・修繕・改築など)を担っています。
宮城県は、管路の維持管理を担当し、各施設の所有権や上工下水道料金を決定する権限を引き続き保有しています。
みずむすびマネジメントみやぎの取り組み
地域
- 地域人材を育成し、安定的な水の担い手を確保
- 独自の育成プログラムにより、人材の技術力と緊急時対応力を向上
- 地域社会の持続的発展に寄与するサプライチェーンを構築
信頼
- 経営状況・水質データの公開や広報誌発行などの情報発信により、事業運営の透明性を確保
- 浄水場見学や浄化センター開放イベントなどを通じたユーザーとの交流
- 外部有識者で構成された改善モニタリング委員会による客観的なチェック
革新
- 受託現場を一体的に監視制御するシステムを導入し、現場を支援
- 運転管理・保守点検・改築などの業務情報を連携させ、設備健全度を効果的に確保
- 多様な地域パートナーと連携して知見を取り込み、事業と地域の持続性を確保
浄化センターを開放して開催されたみずむすびフェス
宮城県上工下水一体官民連携運営事業
[事業方式]
コンセッション(公共施設等運営権方式)
[対象事業]
- 水道用水供給事業(2事業)
- 工業用水道事業(3事業)
- 流域下水道事業(4事業)
[主な業務]
- 経営に関する業務
事業計画の策定、セルフモニタリング、
危機管理 ほか - 維持管理に関する業務
運転管理業務、保守点検業務、修繕業務
ほか - 改築に関する業務
機械・電気設備などの改築業務、建築付帯
設備の改築業務 ほか
[事業期間]
2022年4月1日~2042年3月31日(20年間)
運営を担う主な施設
上水道
中峰浄水場
大崎広域水道用水供給事業
[施設能力]
約1.9万㎥/日
南部山浄水場
仙南・仙塩広域水道用水供給事業
[施設能力]
約28万㎥/日
上水道 工業用水道
麓山浄水場
大崎広域水道用水供給事業、
仙台北部工業用水道事業
[施設能力]
約8万㎥/日(上水)、
約6万㎥/日(工水)
工業用水道
大梶浄水場
仙塩工業用水道事業
[施設能力]
約10万㎥/日
下水道
仙塩浄化センター
仙塩流域下水道事業
[施設能力]
約22万㎥/日(日最大)
県南浄化センター
阿武隈川下流流域下水道事業
[施設能力]
約12.5万㎥/日(日最大)
鹿島台浄化センター
鳴瀬川流域下水道事業
[施設能力]
約9千㎥/日(日最大)
大和浄化センター
吉田川流域下水道事業
[施設能力]
約4.2万㎥/日(日最大)
④ 事業の現地化を加速し、世界の水環境の課題解決に貢献
- 北米
- 水環境インフラの老朽化、水不足、またそれに伴う高度処理(再利用含む)の需要に対して、当社独自技術のオゾナイザをはじめ、Aqua社*のクロスメディアフィルターや好気性グラニュール式下水処理技術(AquaNereda®)などの差別化技術の導入を推進し、事業基盤の確実な成長を目指します。また、米国南西部を中心とする飲用再生水市場においては、Wigen社*を通じて、逆浸透膜法などの膜ろ過技術を使ったより高度な水処理プロセスを提案し、着実に実績を積み上げていきます。
- 欧州
- 水質・環境規制の厳格化や水環境インフラの老朽化などの重要課題に対し、グループ企業と共に解決に取り組みます。具体的には、RWB社*を通じたセラミック膜の新規用途の拡大、Mecana社*とFUCHS社*が持つ独自技術により、規制強化が進む市場や水環境インフラの更新需要に対応していきます。
- アジア他
- 人口増加や経済成長に伴う水環境インフラの整備需要に対応するため、政府開発援助(ODA)などを活用し、新規市場開拓を推進していきます。