ロータリプレスフィルタ
概要
ロータリプレスフィルタは、画期的な脱水原理の採用によりその機構をシンプル化することに成功し、維持管理性を大幅に改善した汚泥脱水機です。数々の優れた特長を備え、省エネ・省スペース化を達成した次世代の汚泥脱水機です。
望まれる次世代型汚泥脱水機
ロータリプレスフィルタは2枚の金属製円盤フィルタと樹脂製のスペーサで構成されたろ室が低速で回転するもので、その中に凝集汚泥を50kPa程度の圧力で圧入することにより、圧入圧力、スクリーンの回転力、出口に発生する背圧力などにより脱水するものです。構造はいたってシンプルであるにもかかわらず、高い脱水性能を示す汚泥脱水機です。
特長
シンプルな構造
始動・停止に特別な工程を必要とせず、構成部品も少ないため運転・維持管理が容易です。
幅広い処理能力
チャンネルの増室が容易であるため、幅広い処理量に対応できます。Ø1200mm機には、1チャンネルから6チャンネルまでの機種があり、将来的に増室といった対応も可能です。
軽量でコンパクト
脱水機本体スクリーン径が最大Ø1200mmであり、従来脱水機に比べ軽量かつコンパクトです。
安価な設備費
他機種に比べ、機器費・補修費も安く、イニシャル・ランニングコストは安価です。
密閉構造
完全密閉構造で臭気漏れがなく、臭気対策が容易です。
低動力
本体回転数は毎分0.5~1.3回転と遅く、振動・騒音も無く、所要動力はわずかです。
わずかな洗浄水量
金属製フィルタで目詰まりがなく、運転時の洗浄は特に必要ありません。停止時の洗浄だけでよいため洗浄水量はわずかです。
脱水原理
- 金属円盤フィルタ2枚で構成されるろ室が毎分0.5~1.3回転のゆっくりした速度で回転します。
- ろ過ゾーンにおいて、高分子凝集剤で調質された汚泥が、汚泥供給ポンプによりろ室内に最大100kPaの圧力で連続給泥され、初期ろ過が行われます。
- 初期ろ過が進行して、フィルタ面にケーキ層が徐々に形成され、その、ろ滓でのろ過・脱水により固形物の捕捉が向上し、ろ液がさらに清澄になります。
- ろ過ゾーンから圧搾脱水ゾーンに移行する過程で汚泥は流動性を失い、円盤フィルタの回転力により排出口方向へ押し出されます。
- 一方、排出口においては、空気バネで支持される蝶形可動弁により、ろ室内の背圧が最大600kPaの一定圧力(可変)で保持され、その背圧により汚泥が圧搾脱水されます。
- さらに圧搾脱水ゾーンでは、フィルタ面の水分の低下した汚泥は回転速度に見合って排出口へ移動されますが、ろ室中央部分の比較的水分の高い汚泥は、フィルタ面の汚泥との間にスリップが生じ、その速度差で発生するせん断力により脱水が促進されます。
- 一連の脱水工程を経たケーキは、可動弁を押し退けて機外へ排出されます。
- スクリーンの洗浄は、運転中は不要であり、運転終了時に約5~10分間程度の洗浄で十分です。
適用例
下水混合生汚泥、OD余剰汚泥、下水消化汚泥、浄化槽汚泥などに適用できます。