高速雨水処理システム(晴雨兼用新固液分離システム)

概要

最初沈殿池への適用例

  • 合流式下水道における簡易処理の高度化技術、未処理下水の簡易処理技術として終末処理場やポンプ場などに設置できます。
  • オイルボールなどの夾雑物除去とBOD、SS除去が同時に可能です。
  • BOD流出負荷量の削減に関しては、同じ機能を有する滞水池よりも半分の建設費ですみます。
  • 合流改善技術として国土交通省SPIRIT21技術評価認定済みです。
  • 経済産業大臣賞受賞(第34回優秀環境装置表彰事業(社)日本産業機械工業会主催)

特長

  • 既存施設(最初沈殿池、雨水沈殿池)を改造して設置可能です。
  • 処理工程も洗浄工程も自然流下を利用しますので、流量変動に対応した、安定運転が可能です。
  • ろ材が微細なので、無凝集で処理可能です。このため雨天時作業がなく、維持管理費は電気代のみの0.1円/m3程度(揚水費除く)で済みます。
  • 前処理スクリーン、ろ材流出防止用下部スクリーンが不要で、運転管理が容易です。
  • 池内機器が少なく、また補機も少ないので運転管理が容易です。
  • ろ材洗浄が短い(1分)ため、予備槽の必要がありません。
  • SSが効率的に除去されるため、ろ過水への消毒剤添加量は従来簡易処理水に比べ4割削減できます。

構造と機能

構造

原理は浮上ろ材を用いた上向流ろ過。
ろ過速度は標準1,000m/日(最大1,500m/日)と非常に高速です。システムは、流入水路、複数の高速ろ過池、洗浄排水槽からなります。

機能

揚水ポンプにて送水された原水が、上部水路から越流・流入し、上向流ろ過され、ろ過水は越流・放流されます。

特殊ろ材

雨水処理専用に開発した特殊素材のろ材

  • ろ過時間を長くする風車型の形状
  • 大きさは7.5mm以下と小さく凝集剤を不要化
  • 耐酸性、耐アルカリ性、耐磨耗性に優れた丈夫な素材
  • 非吸水素材のため、SS、油脂分がろ材内に滞留しない

処理フロー

ろ過速度は原水流入水量に対して変動し、またろ材目づまりは原水側水位上昇の検知により自動洗浄を行うので、質的・量的に変動する雨天時下水に対応できます。

洗浄は、下部の高速洗浄装置を開くことにより、ろ過池上部に貯めたろ過水を使って、水位差による自然流下で行います。

設置例

  • 最初沈殿池代替として導入が可能です。設備面積の縮減やCO2削減にも効果が期待できます。
  • 矩形及び円形の最初沈殿池、雨水沈殿池に設置が可能です。
  • 有効水深2.5m以上の池が対象です。