多層燃焼流動炉

概要

従来の流動焼却炉では、下部の砂層部からのみ空気を供給していましたが、多層燃焼流動炉は、炉の中部、上部からも空気を供給し、最適な燃焼領域を形成。N2Oの発生を抑制しつつ同時に燃料消費量を削減する地球環境に優しい汚泥焼却炉です。

※N2O(一酸化二窒素)...CO2の298倍の温室効果があるガスです。下水汚泥の焼却時に多く発生するため、その対策が求められています。

特長

理想的な燃焼領域の形成

炉内の中部、上部からも空気を供給し複数のゾーンを形成させる「ゾーン燃焼技術」と空気、燃料の供給量を適切な状態にコントロールする「多層燃焼制御技術」により炉内を理想的な燃焼状態にし、従来の高温焼却に比べN2O発生量、燃料消費量を大幅に削減します。

安定運転の実現

多層燃焼技術により、運転状況(炉内温度、空気量、燃料使用量)を常時監視し、複数の操作量を同時に制御することで安定運転を実現します。

既設の流動炉に適用可能

新設だけでなく、既設流動炉を多層燃焼流動炉に改修可能です。

環境に優しい焼却炉

多層燃焼流動炉はニーズに合わせて3つの運転モードが選べ、温室効果ガスと燃料消費量を効果的に削減します。

導入例

南部スラッジプラント3号炉(東京都下水道局)

多層燃焼流動炉は、東京都下水道局殿とメタウォーターの共同開発により生まれた焼却方式です。
東京都下水道局殿では、すでに通常の流動焼却炉を改修した多層燃焼流動炉が稼動しています。

南部スラッジプラント3号炉
既設流動炉に改修工事を行い多層燃焼流動炉に