嫌気・同時硝化脱窒処理法

概要

既存土木躯体を活用し、水質向上とA2O法に比べての省エネ、LCC低減を実現する新しい処理システムを開発しました。本処理方法は、東京都下水道局、東京都下水道サービス(株)、およびメタウォーター(株)との共同研究により開発したものです。

■処理フロー概要

■タンク断面処理イメージ

■タンク流下方向窒素の変化

特長

水質向上

好気タンク内で好気ゾーンと無酸素ゾーンを作り出し、旋回流により硝化と脱窒を繰り返し行い、高度処理同等の処理水質を達成します。

省エネを実現する最適風量制御

好気タンク内に設置したNOx計とアンモニア計を使って硝化・脱窒状況をモニタリングし、最適な曝気風量を制御します。

改造、維持管理費の低減

高度処理化のための既設土木躯体改造部分を低減します。無酸素タンク、撹拌機、硝化液循環ポンプも不要です。

処理原理

A2O法と同等の処理性能

AO法をベースとして、NOx計とアンモニア計により好気タンク(下図では、同時硝化脱窒タンクと表記)内で硝化と脱窒を進行させることにより、A2O法と同等の処理性能を達成します。

送風量を制御

深槽式の好気タンクを2つに分割し、前半部分はNOx濃度、後半部分はアンモニア濃度を指標に、個別に送風量を制御します。

従来技術との比較

A2O法と同様の硝化・脱窒反応で、標準活性汚泥法に比べ、N2O排出係数は約10分の1

下水処理における窒素除去は、微生物の働きによる「硝化」と「脱窒」の2段階からなります。「硝化」では下水中に含まれる「アンモニア」が「硝酸」に、「脱窒」では「硝酸」が「窒素ガス」になり、この「窒素ガス」が大気中に放出されることにより、窒素の除去が完了します。
※出典:東京都下水道局「アースプラン2017」

本法の特徴と従来技術との比較