曝気装置
概要
水処理工程において活性汚泥法と呼ばれる生物処理を行う上で使用されます。汚水中の活性汚泥に汚濁物質を吸収させるために必要な空気を送り込む装置です。
メタウォーターの曝気装置は性能の高さ、安定性に絶大な信頼をいただいているセラミックディフューザーを使用した曝気装置です。
特長
日本全国で最も採用実績の多い旋回流式をはじめ、省エネルギー型の全面曝気式、省スペース型の深槽曝気式まで、多様化するニーズに合わせて、最適な曝気装置の設計・施工を行います。
製品シリーズ
セラミックディフューザー
セラミックディフューザーは散気板、散気筒の二種類があり、1934年から数多くの処理場に納入され、優れた実績をもっています。いずれのディフューザーもセラミック質粒子を結合剤と共に高温焼成した多孔質磁器製の微細気泡ディフューザーです。散気板及び散気筒はいずれも均一発泡装置付の耐食性ホルダーに多数個取替え容易に組込まれ、散気装置として吊下管(ライザーパイプ)に取付けられます。
セラミックディフューザーの特長
- 均一な気孔から発生する微細気泡は高い酸素移動効率を長時間安定して維持できます。
- セラミック質のため耐食性に優れています。
- それぞれの処理方式に適応したホルダーが各種用意されています。
- 均一発泡装置付ですから、個々のディフューザーの通気抵抗差、据付レベル差、配管抵抗差があまり問題となりません。
項目 | 外形寸法 (mm) | 乾式通気量 (20℃、0.49kPa) | 公称気孔径 (μm) | 抗折力 (MPa) | 標準通気量 (20℃、大気圧) | 重量 (kg) |
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散気板 |
300×300×30 |
1200mL/cm2・min | 260 | 3.9 | 80~100L /min/枚 | 4 |
1800mL/cm2・min | 300 | |||||
3000mL/cm2・min | 400 | |||||
散気板 (全面曝気用) |
100×300×30 |
1200mL/cm2・min | 260 | 3.9 | 20~40L/min/枚 | 1.3 |
散気筒 |
Ø75×Ø50×500 |
1200L/min | 260 | 3.4 | 120~150L/min/本 | 2 |
1900L/min | 450 |
均一発泡装置付ホルダー
セラミックディフューザーは均一発泡装置付ホルダーに取り付けられています。ホルダーは各ディフューザーを均一に発泡させ、高い酸素移動効率を得るため、ディフューザー毎にオリフィスが設けてあります。
- SUS製散気板ホルダー
- 散気筒ホルダー集合管
- 全面用SUS製散気板ホルダー
旋回流式曝気装置
この方式は、エアレーションタンクの片側に曝気装置を設置し、曝気装置から空気を吹き込みタンク内に旋回流を起こして、下水と活性汚泥とを混合撹はんするとともに、送気空気中の酸素を効率的に溶解させます。本方式は活性汚泥法を採用している下水処理場において、最も使用実績が多い曝気方式です。
全面曝気装置
全面曝気システムは下水処理の省エネ化という社会的要請に応えて開発したもので、1982年に「省エネルギー型の曝気装置」として当時の建設省から技術評価を得ています。下水処理の省エネ化にとって、送風機動力の削減の効果は大きいため、処理場の新設や増設、既設曝気設備の改修において、全面曝気方式が採用されるケースが増加しています。
システムの特長
深槽曝気装置
近年、下水処理場の建設に際し用地の取得は非常に困難となっており、効率的な土地利用の見地から深槽曝気槽のニーズが高まっています。1973年に我が国で最初の深槽曝気設備を納入し、その後運転実績や社内の実規模実験槽での各種データを蓄積しつつ、設計の最適化を行ってきており、現在では全国で数多くの納入実績を有しています。
システムの特長
深槽曝気槽は標準槽に比較して次の特長があります。
- 敷地面積が少なくてすみます。
- 散気水深が標準槽と同一水深に設置できます。この場合、
- 標準槽のブロアを使用することが可能です。
- 処理水質は同等です。
- 単位動力当りの酸素移動量は高くなります。
- 撹はん特性は、バッフルプレートなどを設けることにより変わりません。
- 散気水深を大きくとることにより、酸素移動効率を高めることが可能です。
- 深槽曝気槽のディフューザーは、磁器製散気板、散気筒を使用することにより、安定した高い処理効率が得られます。