財務担当役員メッセージ

財務戦略におけるKPIの進捗
「中期経営計画2027」の初年度
である2025年3月期において、
受注高と受注残高、さらに売上高、
本業ベースの営業利益が
過去最高を更新しました。
同計画の財務戦略として、目標値の確実な達成に向けたプロセスを可視化するために、「収益性」、「効率性」、「健全性」、「株主還元」の観点から、「7つのKPI」を設定しています。
初年度となる2025年3月期におけるKPIの進捗は、「収益性」の観点では売上高が1,791億円、営業利益が106億円、「効率性」を示すROEは8.9%、ROICは6.2%となっています。また財務の「健全性」についてはDEレシオが0.5倍、自己資本比率が41.3%、さらに「株主還元」にあたる配当性向は31.8%という結果でした。
いずれも堅調に推移しており、目標達成に向けて手応えを感じています。引き続き自己資本比率や財務健全性を保ちつつ、資本コストを意識して効率的な経営を目指すとともに、稼ぐ力の向上に努めます。

収益性と効率性の改善
「中期経営計画2027」の2期目となる2026年3月期の業績は、2025年3月期に続き、増収・増益(営業利益ベース)に加えて、過去最高益の更新を予想しています。
2026年3月期も引き続き事業拡大に向けた成長投資の期間であるため、KPIの中でも特に「ROE10%以上」および「営業利益130億円」の達成には、全社を挙げた「収益性」の向上と資本効率化が重要と考えています。
「収益性」の向上を実現するため、組織体制と報告セグメントの変更に応じた、事業・収益責任の明確化を進めています。
事業損益の見える化や業績予想など、事業部門が適切な業績管理を推進・実行できる仕組みの構築に取り組んでいきます。

キャッシュ・アロケーション
「中期経営計画2027」では、前述のKPIの実現に向けて、キャッシュ・アロケーションについて計画を策定しています。
これは有利子負債を活用して財務レバレッジを高めることにより資本効率を向上させるとともに、その実行にあたりDEレシオを意識することで安全性を確保し、効率的な資金活用に努めていくことを示すものです。

キャッシュイン:
営業キャッシュフローの改善
「中期経営計画2027」の初年度にあたる2025年3月期では、営業キャッシュフローが133億円と、大幅に改善しました。
過去2カ年は一部工事の長納期化などにより、資金の回収時期が従来よりも後ろ倒しになる傾向が続きましたが、当期はこのような案件の回収が進んだことにより好転しました。さらに、契約時前払金や工事の進捗に応じた部分払金などの資金回収を行ったことがキャッシュフローの安定化につながりました。来期以降も安定したキャッシュフローを実現していきます。

キャッシュイン:資金調達
「中期経営計画2027」にて資金調達を予定する300億円のうち、2025年3月期は150億円を調達しました。
「成長投資」や安定成長に向けた「基盤投資」に係る資金需要に備え、50億円のシンジケートローン契約と100億円の社債(ブルーボンド)を発行しました。
当社として、シンジケートローンは初めての資金調達手法であり、ブルーボンドは2回目の起債となりました。
今回の資金調達で、調達手法の多様化と機動的な資金調達を実現できました。財務部門として、引き続き中長期の成長戦略の実現をバックアップしていきます。

キャッシュアウト:アロケーション
成長投資としてはSchwingBioset, Inc.の全株式を取得、研究開発費として24億円を投資しました。同社のM&Aは2028年3月期における海外事業の売上高目標(500百万米国ドル超)の達成に向けて、より大きな足掛かりになると見込んでいます。
基盤投資としては、国内のインフレ対策として社員のベースアップやキャリア採用などの人材への投資を行いました。来期以降も、国内外の設備投資や職場環境の整備を予定しています。
株主還元としては、2025年3月期に増配を実施し、1株当たり50円の配当としました。また、自己株式を150万株消却しました。今後もコーポレート・ガバナンスの観点から、株主構成の在り方や資本政策を常に意識しながら、議論を進めていきます。

目指すべき姿
長期ビジョン「Next2037」では、①「総資産」:有利子負債の活用と事業基盤の強化、②「売上高」:成長性と事業規模拡大を目指す指標、③「時価総額」の3項目の相乗効果による「3,000億円のトライアングル(正三角形)」が“目指すべき姿”のイメージです。
実現に向けたステップとしては、2028年3月期において、「2,000億円のトライアングル」を目指しています。①「総資産」と②「売上高」については、人的投資・DX投資、エンジニアリング改革などの基盤強化、海外事業の拡大などが順調に進んでおり、目標に確実に近づいていると感じます。また③「時価総額」については、PERの向上(15~16倍)を念頭に、収益性の向上、株主還元や財務戦略などを実行に移すことにより、持続的成長と企業価値の向上に貢献していきます。
2025年3月期は、好調なスタートを切ることができました。2026年3月期は「7つのKPI」の達成を視野に、より積極的な財務戦略を推進していきます。

