トップメッセージ
多発する激甚災害、
全国各地で発生する上下水道の
老朽化問題などにより私たちの
生活基盤が揺らぎつつあります。
当社グループは、これまで培った
知見・ノウハウ・技術力を結集し
豊かな水・環境インフラの未来を
切り拓いていきます。
国内の上下水道・環境インフラは、施設の老朽化や激甚化する自然災害などにより全国各地でその脆弱さが露呈しています。一方、海外では、気候変動、地球温暖化、海洋汚染などの環境問題に加え、災害の発生や水資源・水源の不足が深刻化しています。このような事業環境下において、当社グループは企業理念、パーパス、メタイズムの実践を通じて諸問題を解決し、豊かな水・環境インフラの未来を切り拓いていきたいと考えています。
当社グループは、2024年度(2025年3月期)~2027年度(2028年3月期)の4カ年にわたる「中期経営計画2027」のもと、その最終年度に、受注高2,000億円以上、売上高2,000億円、営業利益130億円の達成を目指し、諸施策に取り組んでいます。
初年度となる2024年度(2025年3月期)は、売上高、営業利益が過去最高を更新し、
本業ベースの営業利益としては初めて100億円*1を超える水準となり、受注高、受注残高も共に過去最高を更新することができました。
2025年度(2026年3月期)は、国内では好調な受注高・受注残高を背景に安定的な売上・収益を確保しつつ、海外では既存事業に加えて下水道分野の新技術(Nereda®)や、新たに当社グループとなったSchwing Bioset, Inc.の連結(9カ月間)による業績貢献が見込まれます。
引き続き増収・増益*2、過去最高値の更新を目指すとともに、これまで培った経験とノウハウを礎に諸施策の実行を加速させ、政府が主導する「ウォーターPPP」からPFI、都市圏の大型DBO、DBMに至る“広義のPPP*3”への対応力を強化し、全社を挙げて持続可能な水・環境インフラの実現に貢献していきます。代表取締役社長 山口 賢二

*1 ’21/3期 営業利益109億円、退職給付信託株式売却による一過性要因を除く本業ベースでは91億円。 *2 営業利益ベース。
*3 ウォーターPPP(Public Private Partnership)、DBO(Design Build Operate)、DBM(Design Build Maintenance)、PFI(Public Finance Initiative)など。
長期ビジョンおよび
ロードマップ
当社グループは、設立20周年となる2027年度(2028年3月期)に売上高2,000億円の達成を目指す「中期経営計画 2027」を推進しています。さらに設立30周年に向けた「Next2037」では、2037年度(2038年3月期)に売上高3,000億円以上の達成を目標に掲げ、国内における「広義のPPP」の推進や海外のグループ総合力強化などに取り組みます。

過去最高を更新する受注高・
受注残高を基盤として安定成長
国内事業では、これまで自治体が担ってきた業務の民間シフトや、プロジェクトの大型化・長納期化により、受注高・受注残高が過去最高を更新しています。
これらの受注は、自治体との契約に基づき案件ごとに計上されるため、キャンセルや不履行となる懸念はありません。機械設備のEPC、保守・修繕を担う「環境エンジニアリング事業」と、電気設備のEPC、保守・修繕を担う「システムソリューション事業」では、受注残を基に各事業年度の売上への展開予測や進捗管理を行っています。また「運営事業」においては、グループ企業のメタウォーターサービス株式会社の運転・維持管理や株式会社みずむすびマネジメントみやぎによる事業運営業務などが売上につながるストックとなっています。
案件が大型化・長納期化する中でも、受注残に含まれる粗利率は維持できており、全社収益の源泉となっています。「過去最高の受注高・受注残高」は、将来の業績に直結するストックであり、長期にわたり安定した事業を支える「岩盤」と言えます。
国内事業の先行負担を
海外事業でカバー
国内事業は、エンジニアリングを主体とするため、案件の提案や受注活動に必要な設計・見積もりなどの労務費や諸費用などの引き合いコストが、先行負担として発生します。近年は案件の大型化・長納期化により、受注から売上・収益計上までに一定の期間を要します。
一方、海外事業では、子会社を中心に限界利益率が高い差別化製品・システムを軸に受注から売上・収益計上まで、短期間で回転するビジネスモデルです。
海外事業の下支えのもと、国内事業では労働人口が減少に転じる2030年に向けて働き方改革や社員の処遇改善、採用活動などの人的投資を先行させつつ、エンジニアリング改革や省人化に向けた収益改善の取り組みを推進していきます。
差別化技術とラインアップ拡充
による海外事業拡大
海外事業の売上高のおおむね8~9割は、2016年にグループ企業となったAqua-Aerobic Systems, Inc.によるものです。同社の主力製品である「クロスメディアフィルター」は、省スペース、省エネの特長を有し、アメリカ、イギリスなど1,000カ所以上の納入実績を有しています。
また2016年に同社がオランダのRoyal HaskoningDHV*と全米における独占販売契約を締結した下水処理技術「Nereda®」は、長年にわたる実証実験を経て多くのプレオーダーを獲得しています。2024年6月、当社も同社と日本におけるライセンス契約を締結し実証実験の準備を進めていますが、多くのお問い合わせをいただいており、今後の事業展開を期待しています。 (▶P44に詳細)
さらに、新たにグループに加わったSchwing Bioset, Inc.を通じて、今後拡大が見込まれる米国の汚泥市場に参入します。同社の主力製品のピストンポンプは汚泥処理に欠かせない技術であり、北米の汚泥処理市場で90%超のシェアを誇ります。
ポートフォリオの拡充とグループ企業間のシナジーの創出を図ることで総合提案力を強化し、プロセスプロバイダーへと事業領域の拡大を目指します。
*当時。2025年現在は社名変更しHaskoning社。

”広義のPPP”に向けた取り組み
2023年6月、政府が公表した「ウォーターPPP」では、従来のコンセッション方式(10~20年契約)に加え、コンセッションに段階的に移行するための公民連携方式(管理・更新一体型マネジメント方式、原則10年契約)が新設され、2031年までに上水道100件、下水道100件、工業用水道25件の計225件を実施する目標が提示されました。
当社グループでは、「ウォーターPPP」を含むPFI、DBO、DBM、PFIなどの“広義のPPP”について市場調査を実施し、当面は都市部における大規模再構築事業(DBO)に注力しつつ、採算性や投資回収面などを踏まえて応札案件の絞り込みを行っていく方針としました。「中期経営計画2027」期間中の発注は限定的ですが、“広義のPPP”案件では、従前の2倍となる年間5~6件に挑戦していきます。
これまで当社グループは、国内の上下水道分野のPPP事業において約3割のプロジェクトに参画してきましたが、その多くは契約満了により第2期を迎えます。これまで蓄積してきた経験とノウハウを生かした最適な提案を行うとともに、第1期に要した提案コストの見直しと削減を図り、収益力の強化に努めていきます。
(▶P46 「PPPへの取り組み」参照)

全セグメントの成長により
「中期経営計画2027」を推進
直近業績を踏まえ、全セグメントでの取り組みを加速させます。
-
- 環境エンジニアリング事業
- 研究開発負担の解消に加えて、新型焼却炉やリサイクル施設の設備更新に向けた受注促進を図ります。また現地施工の合理化により追加コストの発生防止と収益性の維持・拡大を図ります。
-
- システムソリューション事業
- 短期的には研究開発負担が生じるものの、監視制御システム需要の取り込みや、修繕案件の受注促進による収益改善に努めます。また中長期的には、エンジニアリング改革の推進により、労働生産性の向上と原価率の低減を図り、収益の底上げを進めていきます。
-
- 運営事業
- 株式会社みずむすびマネジメントみやぎ(SPC)が受託した施設の設備更新に伴い、減価償却負担が生じるものの、業務委託費の減少などの合理化や、メタウォーターサービス株式会社の貢献などによる収益改善に取り組みます。また当社参画PPPプロジェクトの第2期ステージでは、初期提案コストの低減と契約内容の見直しを図ります。
-
- 海外事業
- 好調な既存事業に加え、下水道新技術「Nereda®」の本格拡大によりさらなる成長を期待します。またSchwing Bioset, Inc.の新規連結とラインアップ拡充による総合提案力の強化により、グループ企業間におけるシナジーの最大化を図り、全社収益を支えていきます。
「中期経営計画2027」達成の
ビジビリティの高まり
「中期経営計画2027」の初年度である2024年度(2025年3月期)は、海外事業の好調な業績や国内事業の安定した収益確保により、売上高1,791億円、営業利益106億円(本業ベースで過去最高)となり、順調なスタートを切ることができました。
足元では、同計画の目標達成の前倒しを視野に、各事業本部では自治体の発注見込みや予算の執行状況、プロジェクトの工事進行・完工見込み、さらには各現場における合理化・コストダウンの取り組みなど、予算計画の見直しを始めています。
セグメント別には、引き続き海外事業のけん引のもと、最終年度である2027年度(2028年3月期)には、全セグメントの成長(’24/3期比)を目指します。








