2024年のニュース

ニュースリリース
2024年2月19日

インフラクライシスに対抗する新しいコミュニティのカタチを提案〜上下水道インフラの維持管理にWeb3(DAO)を取り入れるプロジェクト〜

 メタウォーター株式会社(代表取締役社長:山口 賢二、本社:東京都千代田区)は、老朽化や人口減少に伴う財政難、担い手不足などインフラクライシスが加速度的に深刻化している現実に対応するため、業界に先駆け、上下水道インフラの維持管理を住民参加型で行うコミュニティづくりをサポートするSaaS型のサービスを展開するプロジェクトを始動しました。
 本プロジェクトでは、Web3*1(DAO:分散型自立組織)*2の活用を最重要技術テーマと捉え、ブロックチェーン技術でイノベーションを推進するフレームダブルオー株式会社(代表取締役社長:原 麻由美、本社:東京都渋谷区、以下、「フレームダブルオー社」)と協同で本サービスを開発することとしました。
 具体的には、フレームダブルオー社のWeb3プラットフォーム「Clubs」と当社がリモートワーク用に開発した独自ツールとのデータ連携などを柱に実現を目指します。

人口減少に起因する担い手不足への対応
従来の関係者だけでなく、住民や地元の事業者などを巻き込み、それらが連携して維持管理を行う中でボランティアの積極的な活用や地元の事業者による応急的なメンテナンス対応などを考えていく必要があります。

地域防災の観点から「受援力」を高める
多くの激甚災害の教訓から、日常的に自治体と住民が一緒に災害時の対応や役割分担について考えていく必要があります。

「ウォーターPPP*3へつなぐ準備
上下水道分野のインフラクライシスへの対応の一環として、国は官民が連携して水道、工業用水道、下水道の維持管理、更新を行っていくウォーターPPPを推進しています。ウォーターPPPが導入された場合、10年程度の期間、民間企業がそれまで自治体の役割であった上下水道インフラの管理を担うことになりますが、自治体は住民とつながりを持ち続け委託期間を超えた、上下水道インフラの長期的なビジョンを描いていくことが重要になると考えられます。

 この3つを実現するためには、自治体と住民、地元の事業者などが共同で一つのコミュニティを形成し「地域の水を守る」思いを共有することがポイントになります。
 このような背景から、当社は上下水道インフラの持続的な維持管理を実現するために、住民や地元の事業者などの参画を促し、自治体と住民がより強固なコミュニティを形成していくための新たなサービスが必要になると考え、2024年度上期の完成を目指し開発に着手しました。

本サービスの概要

 本サービスは、DAOを用いて、上下水道インフラを中心に据えた地域コミュニティの組成を支援するもので、フレームダブルオー社の「Clubs」と当社独自のリモートワーク用ツールを連携させることで実現します。
 DAOを活用することで、コミュニティ運営の多くの部分を自動化でき、上下水道インフラの効率的かつ持続的な維持管理が図れます。

<本サービスの機能>
1)コミュニティ組成・運営・Webページ作成(活動報告など)
・入会手続き(コミュニティネームとメールアドレスの登録による入会申請フォーマット)
・メンバーシップカードの発行
・貢献NFT*4によるメンバーズカードの追加(貢献NFTとはコミュニティに対する貢献度や経験値に従って獲得するNFT)
・メンバーズカードによるコミュニティ内での発言や投票の制御
・メンバーシップカード、貢献NFT保管用のウォレットの自動作成
・チャットツールによるメンバー間のコミュニケーション
など

2)作業依頼・報酬支払
・会員(ex.自治体職員)から会員(ex.住民や地元企業)へのマニュアル付きの依頼
・作業中のコミュニケーションや進捗状況報告
・作業完了時、貢献NFTの受け取り(貢献NFTの代わりに地域クーポンや作業証明書NFTの発行も可能)
など

リリース挿入図.jpg

*1 ブロックチェーン技術を活用した分散型のインターネットに関する概念。
*2 Decentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)の略称であり、ブロックチェーンを活用することで中央集権的な管理を必要としない新しい組織形態のことを指す。
*3 水道、工業用水道、下水道について、PPP/PFI推進アクションプラン期間の10年間(2022年~2031年)において、コンセッションに段階的に移行するための官民連携方式(管理・更新一体マネジメント方式)を公共施設等運営事業と併せて「ウォーターPPP」として導入拡大を図るもの。(内閣府ホームページより)
*4 非代替性トークン(Non-Fungible Token)の略称であり、ブロックチェーン上で固有の価値を持たせるものを指す。これにより、デジタルデータに対し唯一無二かつ代替不可能な価値を証明することが可能になる。

報道関係お問い合わせ先

メタウォーター株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL: 03-6853-7317
FAX: 03-6853-8709
e-mail: pr@metawater.co.jp