2021年のニュース
岩手県大船渡市で魚と植物を同時に育てる循環型農業「アクアポニックス」事業を開始
メタウォーター株式会社(社長:山口 賢二、本社:東京都千代田区)は、下水道事業における新たな付加価値創出を目的に、岩手県大船渡市「大船渡浄化センター施設改良付包括運営事業」*1において共に事業に参画している株式会社テツゲン(社長:佐藤 博恒、本社:東京都千代田区)と、当社が出資*2の、魚と植物を同時に育てる循環型農業「アクアポニックス」を展開する株式会社プラントフォーム(代表取締役:山本 祐二、本社:新潟県長岡市)の3社で、アクアポニックス事業を実施する合弁会社「株式会社テツゲンメタウォーターアクアアグリ(社長:佐藤 直文、本社:岩手県大船渡市、以下「テツゲンメタウォーターアクアアグリ」)」を設立し、岩手県大船渡市で事業を開始しました。
アクアポニックスは、養殖する魚の排泄物を肥料にして植物を育てる新しい農業の手法です。水で行う有機栽培ともいわれ、農薬や化学肥料を使わないだけでなく、水も捨てないため環境負荷を最小限に留めて養殖と農業を行うものです。
テツゲンメタウォーターアクアアグリは、11月より大船渡市 大船渡浄化センターの隣接地で事業を開始。アクアポニックスによる、チョウザメの養殖と無農薬・無化学肥料の野菜の水耕栽培を行い、2022年10月から順次生産物を販売する予定です。
近年、下水処理場では人口減少に伴う統廃合や技術革新による処理の効率化などにより、未利用となっている土地が多く存在しています。また国土交通省が推進する「下水道リノベーション計画」*3においても下水処理場を下水熱や再生水等を活用し農業生産拠点化することが推奨施策のひとつとして掲げられています。
大船渡市は、下水道施設の土地の利活用を検討するなかで、アクアポニックス事業を下水処理場の未利用地の有効利用、余剰エネルギーの利活用に加え、人材雇用の創出、地域産業との連携、就農者の育成など地域連携に資する取り組みと捉え、テツゲンメタウォーターアクアアグリとの間で事業用定期借地権設定契約を締結し、本事業の事業用地を提供することとしました。
当社は本事業を通じて、上下水道分野の公民連携事業における上下水道施設の未利用地の有効利用を含めた新たな付加価値の提案につなげていきます。
*1 岩手県大船渡市「大船渡浄化センター施設改良付包括運営事業」事業契約を締結(2017年12月22日付)
https://www.metawater.co.jp/news/2017/12/20171222.html
*2 株式会社プラントフォームの第三者割当増資により同社株式を取得(2020年3月 3日付)
https://www.metawater.co.jp/news/2020/03/post-58.html
*3 国土交通省「下水道のリノベーション計画」
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo13_hh_000409.html
合弁会社の概要
1)社名
株式会社テツゲンメタウォーターアクアアグリ
2)設立
2021年10月1日
3)代表者
佐藤 直文(株式会社テツゲン 常務執行役員 東北支店長)
4)所在地
岩手県大船渡市大船渡町字欠ノ下向1-2
5)株主構成
株式会社テツゲン
メタウォーター株式会社
株式会社プラントフォーム
6)事業内容
(1)温室設計及び機材の導入計画、それらの設置と施工、運営業務
(2)植物栽培システムの設計、施工、管理、販売
(3)野菜の栽培や生産、加工と販売
(4)魚貝類の養殖システムの設計、施工、管理、販売
(5)魚貝類の飼育や生産、加工と販売
(6)前各号に附帯関連する一切の事業
「アクアポニックス」について
アクアポニックスは、養殖する魚の排泄物を肥料にして植物を育てる新しい農業の手法です。水で行う有機栽培ともいわれ、農薬や化学肥料を使わないだけでなく、水も捨てないため環境負荷を最小限に留めて養殖と農業を行うことが可能です。
1980年頃にアメリカで発祥したと言われていますが、近年研究が進み、安定生産が実現できるようになり、オーストラリア、欧州と世界的に広がりを見せています。アクアポニックスの仕組みは、養殖している魚の排泄物をバクテリアが植物の栄養素に分解し、植物はそれを養分として成長します。その際、植物が天然の浄化装置の役目を果たし、綺麗になった水が再び魚の水槽へと戻るという循環型の農法です。自然界の縮図とも言えるこのシステムは、水をいっさい捨てない、換えない、そして農薬と化学肥料も必要としない、いわば水で行う有機栽培であり、サステナブルを体言する地球に最も優しい究極のエコ農業とも言われています。
アクアポニックス システムイメージ
本件に関するお問い合わせ
メタウォーター株式会社 | コーポレートコミュニケーション部 | TEL: 03-6853-7317 FAX: 03-6853-8709 e-mail: pr@metawater.co.jp |
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