2019年のニュース

ニュースリリース
2019年4月 1日

アナモックス細菌を利用した窒素除去施設の引渡しが完了~大阪市平野下水処理場 脱水分離液処理施設~

 メタウォーター株式会社(社長:中村 、本社:東京都千代田区)は、大阪市からの委託を受け、平野下水処理場における脱水分離液中のアンモニア態窒素を除去するための「アナモックス細菌を利用した脱水分離液の処理施設」(以下、本施設)の設計、建設、運転管理を行ってきました。そして本日、本施設を大阪市へ引渡しました。

 大阪市では、これまで下水汚泥の減量化に向けた取り組みを進めてきましたが、汚泥の分解を促進する消化過程において高濃度のアンモニア態窒素が生成され、その後の脱水過程では、排水として高濃度のアンモニア態窒素(1,000mg/L)を含んだ脱水分離液が発生していました。窒素は河川や海の富栄養化の原因の一つとして放流規制対象(25mg/L)にもなっており、脱水分離液中のアンモニア態窒素の効率的・集中的な除去が課題となっていました。

 そのような中、平野下水処理場では汚泥の消化処理開始を受け、生物学的処理によるアナモックス反応を利用した窒素除去法を採用した新たな脱水分離液処理施設の建設を決定しました。本施設はアナモックス細菌による窒素除去反応を利用した国内初の下水処理施設となります。


アナモックス施設.JPG

アナモックス反応について

 アナモックス反応とは、嫌気性(酸素のない状態)独立栄養細菌(増殖するのに有機物を必要としない菌)であるアナモックス細菌の働きにより、アンモニア態窒素(NH4+)と亜硝酸態窒素(NO2-)を直接窒素ガス(N2)に変換する反応で、1990年代にDelft(デルフト)工科大学の研究グループにより見いだされた比較的新しい生物学的窒素変換反応です。一般的な窒素除去法である硝化脱窒法と比べ、電力費や薬品費の削減が図れるなど、効率的な窒素除去が可能です。

zu03.png

  (注1)イラストは大阪市HPから引用

アナモックス法導入によるコスト削減効果(硝化脱窒法との比較)

 従来の硝化脱窒法と比べ、(1)必要な酸素量が小さくブロワなどの設備や使用するエネルギーが少ない、(2)反応に有機物を必要としないため有機物の薬剤添加が不要、(3)余剰汚泥(発生汚泥量)が少ない、といった特徴があり、大阪市との共同研究の結果、大阪市の下水処理場への適用性が確認されました。

zu04.png

流入水量3,000立方メートル/日、流入水質をT-N1,000ミリグラム/リットル、水温30度とした場合の試算結果による。

(注1)参考文献「高温高濃度消化汚泥の脱水分離液から窒素を除去する技術に関する共同研究 報告書」
   (2008年3月31日 大阪市建設局、株式会社NGK水環境 システムズ)資-19 7.実施設容量計算より
(注2)イラストは大阪市HPから引用

第11回 国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)* を受賞

 2018年9月、本施設が下水道の新たな価値の創造に貢献する取組として認められ、イノベーション部門において第11回国土交通大臣賞(循環のみち下水道賞)を受賞しました。

* 循環のみち下水道賞とは
 循環のみち下水道賞は2008年に創設された国土交通大臣表彰で、健全な水環境、資源・エネルギー循環を生み出す21世紀の下水道のコンセプト「循環のみち 下水道」に基づく優れた取組に対し表彰されるものであり、優れた事例を表彰し広く発信することで、受賞者の功績を称えるとともに、他の多くの団体等でも同じ取組が行われ、全国的に「循環のみち下水道」が実現することを目指しているものです。

事業概要

事業対象施設

脱水分離液処理施設

事業内容

脱水分離液処理施設の設計・建設業務および運転管理業務

施設能力

処理水量    1,350 m3/日
窒素除去能力  80%以上(全窒素1,000mg/L→200mg/L)

事業期間

設計    2014年3月19日~2014年10月31日
建設    2014年11月1日~2017年3月31日
運転管理  2017年4月1日~2019年3月31日

処理方式

アナモックス細菌を利用した窒素除去法

施工業者名

メタウォーター株式会社

施設所在地

大阪市平野区加美北2-6-69(平野下水処理場敷地内)



*大阪市平野下水処理場脱水分離液処理施設〜アナモックス反応を利用した窒素除去法〜 (2019年4月1日 大阪市発表)
 http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000397358.html

本件に関するお問い合わせ

メタウォーター株式会社 広報IR部 TEL: 03-6853-7317
FAX: 03-6853-8709
e-mail: pr@metawater.co.jp