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ニュースリリース
2012.8.24

膜ろ過法による建設現場用濁水処理システムを開発
- 薬剤を使用しないため、ランニングコストや環境負荷を低減 -

メタウォーター株式会社(社長:木田友康 本社:東京都港区)は、株式会社間組(社長:小野俊雄 本社:東京都港区 以下、ハザマ)と、ダム、トンネルなどの建設現場で発生する濁水処理法として、薬剤を一切使用しない膜ろ過法による濁水処理システム(図1)を共同開発しましたので、お知らせします。

ダム、トンネルなどの建設現場では掘削に伴い大量の濁水が発生します。こうした濁水は建設現場内で浄化してから周辺の河川に放流します。従来は濁水に薬剤を添加・撹拌することで濁水の成分である浮遊物質(注1)を沈殿させ上澄み水を河川へ放流し、沈殿物は沈殿汚泥として処理する濁水処理法(凝集沈殿法)(図2)が用いられてきました。また、周辺環境や法規制の条件によっては上澄み水をさらに浄化する必要が生じ、砂ろ過装置を通した後、放流する場合(図2)もありました。こうした従来の濁水処理法では、濁水の成分である浮遊物質を沈殿させるため、PAC(ポリ塩化アルミニウム)や高分子凝集剤(注2)といった薬剤を添加していました。

本濁水処理システムは、濁水を膜でろ過して処理する濁水処理法(膜ろ過法)を用い、浮遊物質を凝集させるための薬剤を一切使用しないことが特徴です。そのため環境負荷が低減されます。浄化能力においては、濁度3000度以上を1度程度にまで低下することが可能であり(図3)、従来の凝集沈殿法に砂ろ過装置を付加した濁水処理システムと同レベルの浄化能力を有します。

pH調整は、膜ろ過処理をする前の濁水中に散気板(注3)を通して二酸化炭素を流すことにより行ないます。これによりコンクリート成分の混じったpH10~11のアルカリ性の濁水をpH7~8付近の中性に調整(図4)します。

また、本システムは、膜ろ過板(写真1)を増減することにより流入濁水量の変動に比較的容易に対応できます。例えば30m3/hの流量に対応する濁水処理システムを膜ろ過板の増設のみで現場にて60m3/hの流量に対応可能です。その他、薬剤を用いないことによるランニングコストの低減や濁水処理システムの設置スペースの削減といった長所もあります。

膜ろ過法による濁水処理法に関し、メタウォーターは上下水道施設において多くの実績があり、この分野でのノウハウを生かし、建設現場の濁水処理向けに本システムをハザマと共同開発しました。

本システムは、ハザマ施工のトンネル工事現場の試験プラントにて浄化効果を実証確認済みです(写真2)。今後、濁水に関して高度な浄化能力が求められる建設現場において積極的に提案してまいります。

MH濁水処理システムの概要

図1:新濁水処理システムの概要

ろ過槽に流入した原水(濁水)は、膜ろ過板を通りろ過されます。膜ろ過板の付着物が増大した場合、水を膜ろ過板に逆流させて付着物を剥離し、沈殿汚泥として排出します。

凝集沈殿法と砂ろ過装置による濁水処理システムの概要

図2:凝集沈殿法と砂ろ過装置による濁水処理システムの概要

濁水に薬剤を添加し凝集沈殿させた後、上澄み水を砂ろ過装置に通すことで、濁度を低下させます。

試験プラントでの原水と処理水の濁度変動

図3:試験プラントでの原水と処理水の濁度変動

試験プラントでの原水と処理水のpH変動

図4:試験プラントでの原水と処理水のpH変動要

膜ろ過板

写真1:膜ろ過板

試験プラント全景

写真2:試験プラント全景

注1:浮遊物質 濁水に浮遊する不溶解性物質の総称、懸濁物質ともいわれる。英語ではSS(suspended solid)と称される。単位としては、mg/L、度などが用いられる。
注2:PAC
(ポリ塩化アルミニウム)、高分子凝集剤
上水道用水、下水道排水、工業排水、建設工事現場などにおける濁水処理において、濁水中の浮遊物質を吸着し、沈降させる機能を持つ薬剤。
注3:散気板 空気を効率的に水中に分散させるため、微細気泡として放出させる装置。多孔質の樹脂やセラミックなどの素材が使用される。
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